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台風はキライ

子供みたいなハナシだけれど、台風はあまり好きじゃない。

九州をはじめ西日本を中心に猛威を振るっているらしい台風16号。東京でも数時間前から空気が急に生暖かく重苦しいものになって、窓の外では風がびゅんびゅん吹いている。大したこともないし、実際関東に上陸する台風だったとしても屋内にいれば大概大丈夫なんだけど、でも台風の音を聞くとなんだかそわそわして落ち着かない。「トラウマ」なんて大袈裟なものでは全くないのだけれど、無意識にあの日のことを思い出してしまうみたいなのだ。

ぼくが中学生くらいのある秋のこと。

台風何号だったか忘れたけれど、とにかくやたらと大きい台風が日本海を北上してやってきた。夜になってやたらとびゅんびゅん風が吹いてくる。気付いた頃には、これはどうにもおかしいというくらいの風の強さ。部屋の窓についている金属製の雨戸を閉めようとするのだけれど歪んで引き出すこともできない。

そうこうしているうちにいよいよ事態はまずくなってきて、窓の側にいるのも怖いくらいになり・・・。なすすべもなく暑い日の動物園の檻の中のトラみたいに部屋のなかをただうろうろうろうろしていた。と、突然ガッシャーンという音とともに窓ガラスが割れた。それはちょうど、「瞬間最大風速50メートル」とバカでかい見出しが付いた翌日の新聞に記されていた時刻のことだった。

「時が止まる」という表現があるけれど、まさにそれ。窓ガラスの中心あたりにぴりっと亀裂が入ったかと思うと、一瞬にして粉々になる。そして、粉々になっているガラスの破片が一気に高速度でこっちに向かってくる。もう、マンガか何かみたいな世界。狙ったようなスローモーション。実際、そのときはマンガみたいなありえない展開に結構感心していたような気がする。ああ、ガラスってこうやって割れるんだ、って。

でも感心してる場合じゃなくて、ガラスが一気に自分に向かって飛来してくる。反射的にただ布団をかぶると、かぶった布団の上にガラスの破片が落ちてくるのが聞こえて。ギリギリセーフ。でも部屋の中はもうめちゃくちゃ。

そんな夜でした。

別になんとも思っていないのだけれど、そして時々しか思い出さないのだけれど、外が風で騒々しいとそわそわするのは、きっとあのせいなんじゃないかなぁと、そういう気がする。

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2004年08月31日 00:21に投稿されたエントリのページです。

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