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で、地震はくるのか

ここ1週間ほど、東京で地震が起きるとの噂が(特にネット上で)話題になっています。昔から「何月何日にどこどこで地震が起きる!」というような「うわさ」はなぜか、定期的に発生しますね。大概「(地震の領域・規模・時期を特定した)地震の科学的な予知なんて現時点では難しいというのは「常識」なのに・・・、やれやれ、こういう人が占いとか信じるのでしょうなあ」と思うところなのですが、今回はやや趣きが異なっています。

何が違うのかというと、大元を辿ると情報の明確なソースがあることです。今回の地震情報の出所の大元は八ヶ岳南麓天文台地震前兆観測研究センター公開WEBで公開されているこちらの情報。内容は「5月27日±4日に南関東でM7.2±0.5の可能性」というものです。

しかし、この情報、ものすごい伝言ゲームになっている模様で。そもそもこの情報というのは、実験途上のまだまだ不完全な手法を用いて分析するとこういう結果になるということを示しているだけで、地震の発生を「予言」する趣旨ではない(と私は理解しているのですが)のに、「地震がおきるんだって!」くらいのノリで伝播していったり、「何時に起きるらしい!」と情報が付加されたり、本当に色々のようです。木曜日にはYahoo!ファイナンスのマーケット概況を見ていたら(参照)、地震発生の可能について言及されているなど、ニュースのメインストリームにまで染みだしてもいるようで。

これに対して情報の発信元は困惑している様子で、公開WEBの閉鎖も検討しているとのこと(参照)。元々八ヶ岳南麓天文台での地震観測情報は実験の性質と情報の趣旨を理解した人に他言無用の条件でFAXで送信されているものを、解析通りに発生したとすれば重大な被害を及ぼすようなものについては特に公開しているということらしく。こういう事は十分予想されるので公開しないというポリシーをあえて曲げた事が裏目に出ているような気がします。(あとは、「天文台」といいうと公的なものを思い浮かべてしまう人が多いとか、いろいろ問題はありそうですが)

というわけなのですが、私自身は防災意識を高めておくいい機会だと思って保存のきく食料や食料を買ってきたり(なぜか都合良く近所のスーパーで安売りになっていた(苦笑))、懐中電灯を購入したりしてみました。こういうことでもなければ、なかなかそういう気にもなりませんしね。今回言われているような地震は起きないのではないかと思いますが、日本に住んでいる限りいずれは、という問題でもあるわけですし。

ただ、今回の件について言えば、こうした「誤報」(別に予報をしたわけでもないのでそもそも「誤報」ですらないはずですが)が、研究そのものに逆風になってしまうようなことがあれば、とても残念だと思います。将来の見込みはさておき、八ヶ岳南麓天文台自体は私の読んだ範囲では真摯に科学的に地震の予知に取り組もうとしているところのようなので。

もっとも、考えてみれば、今回のこの程度でよくわからない情報が流布されているくらいですから、仮にある程度確度の高い予測手法が将来確立されたとしても地震警報のような形で情報を出すというのは、ひどく難しそうな気がします。そういう意味では、今回の地震についての情報の広がり方というのも、研究してみたらよいのではないでしょうかね。

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2005年05月28日 01:35に投稿されたエントリのページです。

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