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November 14, 2004

ライブドアが著作権に関して規約変更

livedoor blogの規約変更があって、その件で随分盛り上がっていたらしい。(livedoor Blog 開発日誌:利用規約の一部変更のお知らせ

特に問題になっているのは、以下の変更の模様。

第8条 (ウェブログの公開について)
(変更前)
本サービスにて作成されている全てのウェブログについて、当サイトの宣伝を目的として利用者への通知なしに自由に利用することができるものとします。

(変更後)
本サービスにて作成されている全てのコメントおよびトラックバックを含むウェブログについて、弊社は、利用者への通知なしに無償で利用することができるものとし、利用者は、弊社及び弊社の指定する者に対し、著作権等(著作者人格権の行使も含む)を行使しないものとします。

トラックバックが100件以上付く大盛況だったので、いろいろ見に行ってみたりしつつ、トラックバックしてみる。

TB先はぱらぱらとしか見に行っていないのだけれど、著作者人格権のところに随分食いついている人がいるみたい。著作者人格権「の行使を封じることは精神的な平穏を安易に乱」すので、憲法違反だとか変わったことを書いているひとも。なんでも13条違反なんだそうだ。・・・とりあえず、落ち着いてください。著作者人格権のところを掘ってもたぶん何もでない、というか根本的な問題はそこじゃないんじゃ?

たしかに著作人格権は一身に専属し、譲渡することはできない(著作権法59条)。その趣旨を徹底すれば不行使契約や放棄もできない、という解釈になるのだろう。ただ、著作者人格権は「人格権」とついているけれど、財産権と交錯する部分がある。たとえば著作権の不行使特約を確保しておいていざ使おうと思ったら、著作者が公表権の侵害だといい出してきたら意味がない。だから例えば著作権不行使の特約を結ぶのであれば、その際の意思の合理的解釈として公表も許諾したといえるのだろう(納得いかない人はこれとか、関係あるのかな)。その限りで著作者人格権の不行使特約にも効力があるというか、少なくともその点では規約が無効だということにはならない。もちろん、氏名表示権とか、よっぽどおかしな同一性保持権侵害でもすれば話は別なんだろうけれど、そういう場合は59条を持ちだすまでもなく、そもそも公序良俗違反で無効になるだけなんじゃないですかね。

と、いきなり冒頭からハナシがそれているのだけれど、著作者人格権に食いついている人が妙に多かったので。で、ハナシを戻すと、上の話は「著作権不行使の特約を結ぶのであれば」のハナシで、結局そこが今回の問題の核心。ライブドアがブログの内容を利用者への通知なしに無償で利用できて、ユーザーは著作権を行使しないものとする、という特約。

このまま規約が撤回されたりもせずそのままになったとする。何が起きうるか。例えば、ひとり「電車男」みたいな人気コンテンツのブログができたとする。するとライブドアがお金に目がくらんで勝手に本にして出版するわけだ。規約の意味するところは、あなたはライブドア(規約8条にいう弊社)とか、出版社(おそらくライブドアが規約8条にいう「弊社の指定する者」として指定するだろう)に対して、著作権侵害だとして訴えることができないということ。いや、より厳密にいうとあなたが裁判所に著作権侵害だとして訴えた場合、裁判所が規約を有効とみとめればライブドアの丸もうけになってしまうということ。(罰則(?)がどうこうとか書いているひともいたけれど、あまりそういうハナシではなくって。)

でもそれは逆にいえば、そんなもんには同意していない、途中から一方的に規約の不利益変更なんてしやがってこんな規約は有効と認められるはずはない、と自信のある方はどんと構えていればいいだけのハナシということでもあるわけで。そういう方は自分のブログがものすごい人気サイトになって、ライブドアが勝手に出版するまで期待を膨らませつつ、しばしお待ちください。逆に、残念ながら規約には拘束されるのだと思うけれど納得いかないと思う人は、別のところに移転したりすることを考えた方がいいかもしれない。これからBlogをやろうと思う人については、そんなのおかしいよと思う人はライブドアBlogを選ばないほうがいいでしょう。(エログ系は他にちょっと考えることがあるのかもしれないけど、それは略。)

・・・などと書いているとライブドアを擁護しているみたいで怒られそうなので、付け加えておくと、それと今回のことが気に入るかどうかは、もちろん全く別の問題ですよ。ふざけんな!おれの文章で勝手にもうけようってんのか。と、まあそう思うんだと、思う、・・・私もライブドアでblogをやっていれば。ただ、そういう怒りにまかせた虎場はたくさん拝見したのでもうお腹いっぱいだし、当事者じゃない私がふざけるなとか怒ってもしょうがないかなあと思ったもので。まあ、私だったら静かに退出、なのかなあ。

もちろん、反対多数でライブドアが引っ込めたりしたら気味はいいのだけれど。「ただでやってんだろ、だったらつべこべ言うなよ」あるいはより一般的に「条件が気に入らなければ契約しなけりゃいいだろ」というある意味暴力的な理屈は割と社会にありふれていて、いつも気にくわないと思っているだけに、優越的な立場をいいことに好き放題やろうとした者が落とし穴に落ちれば結構わくわくものなのは間違いない。

・・・しかし、ライブドアは何を考えているのでしょうねえ。Blogサービス(SNSあたりも)ってビジネスとして結局何が儲かるのか、そういう方面には疎いもので私にはいまいち分からないのだけれど、まあいまのところこれだ!というものはないにしても人が沢山集まっている状態というのは何のビジネスをするにしても資産、というのことなのかな、とも想像してたりする。もしそうだとしたら、小金に目がくらんだせいでユーザーが逃げたりしたら元も子もないのでは、とか思うんだけど。いや、はてなの住所登録の時みたいにはっとするような裏があるのかもしれないけれどさ。


※そういえばTB・コメントの著作権とか不思議な話もあったけれど、長くなったので時間があったら(たぶんない)また今度。


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時刻: November 14, 2004 01:20 PM
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